間違えてはいけない、家づくりの手順
家づくりって難しいですよね。
いったい、いつからはじめたら良いのか、
そして、本当は賃貸がいいのか持ち家がいいのか?
マンション?戸建て?
建売?分譲?注文住宅?
これらを決めるのも一苦労
そして、持ち家で建てると決意しても、いくら位が妥当なの?住宅ローンは?土地はどうする??
次から次に、解決しなければならない事が出てきます。
そして、ようやく間取りは?なんて話が出た頃には、疲れてしまってあまり気が回らなくて、失敗じゃなければいいやという妥協の住まいとなってしまうわけです。
多くの方にとって一生に一度の家づくり。
ここではこのような事にならない、疲れないでスムーズに思い通りの住まいを手に入れる家づくりの順序についてお伝えします。
急がば回れの家づくり
いっけん遠回りのようですが、思い通りの住まいを手に入れられるということは、その後の人生も思い通りの人生も、半分手に入れたようなもの。
そして実は、この方法は、ご自身の夢を叶える方法でもあるのです。
その秘密は、またいずれお話します。
私の願いは、この方法でHappyな住まいと生活を手に入れていただきたいのです。
ずばり!疲れない家づくりの順序とは
思い通りの住まいを手に入れる家づくりの順序は。
ずばり!
1. 思い通りの住まいのイメージを持つ。
⇓
2. 生涯の資金計画をした上での予算を算出する。
⇓
3. 1と2を叶えてくれるパートナー(工務店、ハウスメーカー、建築家)を探す。
いかがでしょう?
簡単と思われますか?
えっ??なにそれ?と思われますか?
そんなの当然よね!と思われますか?
多くの方の経験の積み重ねから生まれた順序
これは、設計の実務者として10年、プロデュースとして13年、家づくりのお手伝いをしてきた経験から、はっきりといえることです。
当初から、この順序で行っていた訳ではありません。
ところが、お客様がいつも同じようなところで躓いたり、進行が滞ることが多々ありました。
いろいろ考えました。
聞き方が悪いのか?
伝え方が悪いのか?
・・・・・・
行き着くところ、準備段階の順序が違うと考えたからです。
なぜ順序が違うと問題が起きるのかは、次にお伝えします。
私は、現在お客様には、最初に希望の間取りとか聞かずに、予算も聞かずに、カウンセリングをさせていただいています。
そこまで聞くの?などと怪訝な顔をされながらも、次第に家づくりに乗ってきていただけるのを肌に感じています。そのお客様も完成後には、あれだけ初めに言ったから出来たのよね、と喜んでいただいています。
何をするのか?
1. 思い通りの住まいのイメージを持つ。
思い通りの家を手に入れるために大事な第1歩は、
あなたやご家族にとって、最高と思える家のイメージを持つことです。
少し言い方を代えると、想像してその画像を残す、ということです。
なんだ・・・
と思われるかもしれません。
が、私がこれまで家づくりのお手伝いをさせていただきた方の中で、これが明確に出来ている方ほど、思い通りの住まいを手に入れられています。迷われないので、打ち合わせもスムーズに進みます。ところが、このイメージを明確にお持ちの方はわずかしかおられません。
大部分の方は、イメージと言われても・・・
ご家族それぞれが想像はしていても、それを話題に話をしたこともなく、家族でバラバラ。このような状態で家づくりに突入しても、大事なものを諦めなければならないことも多いのです。せっかくの家族のための家づくりが、結局何のための家づくりなのか分からなくなっていきます。
イメージ作りは大事なのです。
そして大切なのは、この段階ではわがままに、ありったけ、できるだけ沢山イメージを出した方が良い、ということです。
どうせ叶うわけない、と諦めないで下さい。
なぜかと言うと
ここで、一つ質問をします
「あなたにとって、いい家とは?」
デザインが良い?
性能がいい?
耐震性がいい?
大きい?
高級?
どれもそうであるに越したことはありませんね、でも予算があります。
私が考えるいい家とは、あなたやご家族のライフスタイルにぴったりと合った家だと考えます。
そう、あなたとご家族の頭のなかにあるイメージ、世界観をそのまま現実化した家こそがあなたにとって最高にいい家だと考えています。
それには、わがままにイメージをして、つくり手に伝えてください。
わがままであればあるほど、あなたのイメージが伝わっていきます。遠慮は要りません。
あなたの頭のなかにある物は正直伝わりにくいものなのです。
方法はかんたん
街の中、本屋さん、そしてインターネット
生活空間の参考になる物はそこらじゅうに転がっています。
テレビで見た素敵な感じのリビング
以前行ったレストラン
旅先のホテルや旅館の一室
映画のワンシーンで出てきた寝室
少し目を閉じて、思い出してくる景色はありませんか?
それらを一つひとつ残しておくことです。
人間、残念ながらすぐ忘れてしまいます。
そして、大切なことに限って、いざ!という時に思い出せないのです。
経験ありませんか?
家づくりが始まると聞かれます。
「どのような住まいをご希望ですか?」
「えーーーと○○な感じで、△△な感じが良いんですけど。」
残念ながら、伝わりません><
あなたが忘れないようにする為であり、
そのイメージを家を建ててくれる人に確実に伝える為なのです。
口頭では絶対と言っていいほど伝わりません。
大事なのでもう一度
あなたの頭の中のイメージは、他人には文字では伝わりません。
これは、スタートだけでなく後々のトラブル回避にもなります。
家づくりが始まると、様々な場面で細かい要望を聞かれます。
つい、頭の中のイメージを◯◯な感じでと言ってしまうことがあります。
言った側の頭の中イメージ vs 聞いた側の頭の中のイメージ
そして、そのまま工事が進んで、いざ出来てしまうと
えっ思ったのと違う!!!
これは、聞く側がちゃんと再提案をして確認しなかったのが悪いのですが、このようなトラブルは毎日のように家づくりの現場で起きています。
このようなトラブルを防止するためにも、あなたのイメージをちゃんと伝わるように残しておくことが大切です。
2. 資金計画をした上での予算を算出する。
家づくりの予算を決める時、あなたならどうしますか?
● 今の賃貸に月々払っている金額からこれくらいなら支払えるだろう。
● ネットのサイトで、住宅ローンシミュレーションをしていくらまで借りれるか見てみる。
こんな感じで進められる方が多いのかと思います。
私はいつも予算をお聞きする時、根拠はなんですか?
とお聞きします。
上の2つでは、今の状況しか見られていないのが事実です。
実際、住宅ローンを借りられるとなると35年が基準となります。35年間本当に払えますか?
お給料がこのまま上がり続けると考えていませんか?
子供さんの教育資金総額でどれくらいかわかりますか?
35年後は年金から返済ですか?仕事は?他に収入はありますか?
退職金当てにしてませんか?いくら貰えるか知ってますか?
老後の年金、いくら貰えるか知っていますか?
老後、どれくらいの蓄えが必要か知っていますか?
将来のことはわからないとは言え、ある意味人生をかけた買い物をするわけですから、冷静に計算の上で、生涯の収入の内、住宅にどれくらいかけてもよいかを算出する必要があります。
バブル以前のように右肩上がりの時代ではないのは、今の世代の方はご存知なのですが、家づくりの予算の考え方はバブル以前と大して変わっていません。
それは、その方法を教えてくれるところが殆ど無かったからです。
昭和的な言い方ですが「夢のマイホーム」を手に入れるわけです。
無謀な資金計画を建て、夢のマイホームできつきつな生活をしていては、夢ではなくなってしまいますね。
予算があまりかけられないなら、今では中古を購入しリノベーションという方法もあります。他にも方法はあります。無理をしてお金をかける必要はないのです。
家づくりは良い機会です、一度老後までの収支計画を立ててみることをおすすめします。
3. 1と2を叶えてくれるパートナーを探す。
1と2を整えて初めて家を建ててくれるパートナーを探すのです。
ハウスメーカーの展示場に行くのなら、ようやくこの段階になってからです。
予算もあなたが握っているわけですから、営業マンの甘い言葉に惑わされなくても済みます。
あなた主導の家づくりができるのです。
あなたの住まいのイメージを見せて、
自由設計の会社なら、営業マンや設計者の反応を見れば、前向きに叶えてくれるのすぐわかります。
規格住宅(金額にオプションを使うところ)なら、あなたのイメージを叶えてくれるかどうか?
一目瞭然、その規格の家があなたのイメージに合うかどうかを判断すればいいのです。
以上、家づくりの手順を大まかにお伝えしました。
では、この順序を間違えるとどのような事が起きるか見てみましょう。
間違い順序 その1
多くの方は1をせずに、2も程々に3をいきなりしてしまいます。
そうなると、予算は建てる側の思いのままになってしまいます。
家づくりなんて初めてだし、何にいくら掛かるのかもわからないし、聞かないと仕方ないじゃない、と思われるかもしれません。
でも、建てる側はできるだけ高く売りたいのが本音です。
あなたが明確な予算を持っていなければ、どんどん高くなってしまいます。
あなたはもちろん、建てる側も、悪気がなくても少しでも良いものをと思えばこそズルズル高くなってしまうのはよくあることです。
こうなってくると、予算を上げるのか、何かを諦めるのか、その優先順位もご主人に合わせるのか、奥さんにあわせるのか、子供に合わせるのか、家族会議は概ねギスギスしたものになってしまいます。
1を最初にしておくと、優先順位を決めておけば何に予算を振り分けるのか、ギスギスした家族会議をしなくても良くなります。このギスギスした家族会議が家づくりが疲れるいちばんの要因であるのは想像できるでしょう。そして、家づくりから心が離れていってしまうのです。
でもあなたが立てた明確な予算があると、ハウスメーカーや工務店が出してくる見積もりに振り回されなくて済みます。
家づくりは生涯で大きな転機です。やはり、このタイミングで、生涯の資金計画を一度しっかり建てて、その上で住宅資金はいくらまでかけてよいかを、ご自身なりに持つことです。
若い世代の方はピンとこないかもしれませんが、親御さんの世代のように国が老後まで面倒見てくれる時代ではなくなったということだけは覚えておいてください。
間違い順序 その2
2を最初にしてしまうと、1のせっかくの家づくりの一番楽しい部分がなくなってしまいます。
お金が気になり、せっかくの希望も言えなくなる方が多いのです。妥協妥協、諦め諦めの産物になってしまいがち。
せっかく大金をかけるのですから、わがままに希望は出していきましょう。出来るか出来ないかを決めるは、あなたではなく建てる側です。もちろん、イメージの全て出来るとは言いません。叶うのはほんの一部かもしれません。でもその叶えられる一つ一つは家族に取って最も大切なことだと思います。
たくさんイメージを出して、と言うのはそれを見逃さないためでもあるのです。わがままになってというのも、小さなきっかけかもしれませんが大切な一つの要素を見逃したくないからです。
ですから、無駄な作業とは思わず、これも家づくりの大切な大切な一部と思って必ずやってみて下さい。
以上のことから
1を最初にするのが楽しい家づくりの第1歩となるのはお分かりいただけるかと思います。
結論として
家づくりの順序は
1. 思い通りの住まいのイメージを持つ。
2. 資金計画をした上での予算を算出する。
3. 1と2を叶えてくれるパートナーを探す。
この順序で準備するのが大切です。
物事大きくなればなるほど準備が大切
建築の現場で、先輩から後輩への教えでよく使われる言葉があります。
「段取り八分」元々は歌舞伎の用語らしいのですが、何をつくるかをよく考え、その材料を吟味し、手順を考え、環境を整え、用具を整え、そこまでやって初めて作業にかかりなさい。そうしないと余計な時間がかかり、失敗することも増える。仕事の80%は準備に費やしなさい、という教えです。
準備を怠ると良いものは出来ないという意味ですね。
現場の職人さんだけでなく、お施主(せしゅ)さん(家の主である建て主)も同じなのです。
準備をちゃんとすれば、思い通りの良いものが出来ますよ。
まずは、あなたの頭の中の素敵な住まいのイメージ(写真)を集めることからはじめて下さい。