一概に「和風モダンな家」と言っても人それぞれイメージされるデザインは千差万別です。
和モダンな家をご希望されるなら、2つのことをあらかじめ決めておかなければなりません。
1つ目、あなたがその新しい住まいでどのような暮らしをしたいのか?
2つ目、和風モダンという言葉でイメージされるスタイルは本当に人それぞれです。
設計のプロでも、全く違うデザインとなります。
本当のあなたの好みをしっかりイメージしておきましょう。
できれば、依頼先に写真などで大まかなスタイルは伝えられたほうがいいでしょう。
これらは、依頼するする前にしっかりされておいたほうが良い大事なことです。
ここでお伝えする間取りの比較は、オーナー様に上記の2つをしっかりしていただいた上でも、設計する建築士により様々な間取りやデザインが提案されるということを知っていただければと思います。
1.間取りを比較して好きな1案を選ぶために、依頼する条件は同じに。
まずここでは、実際に家づくりをされた事例から見ていただきます。
■全く同じ敷地
■全く同じご要望
■全く同じ予算
条件を同じにした上で、5人の建築家に実際に会ってもらい要望を伝えます。
そして同じ期日で、それぞれプランを作成してもらいました。
実際に提案されたプランをご紹介します。
2.和風モダンの他に与えられた条件とは
事前に何度もヒアリングを行い、お客様のイメージをしっかりとまとめていただきました。
その上で、ご要望をまとめていきます。
■大きいリビングでデッキと一体感があるように。
■中庭のように外からの視線が出来るだけ入らないように。
■寝室から入れるウォークインクローゼット。
■将来、親御さん(お一人)と一緒に住めるように、トイレを隣接させてほしい。
■キッチンを充実させてほしい。
■目に見えない収納にしてほしい。
■車はメインが1台、来客用に1台
※敷地があるエリアは、京都市の条例、風致地区第2種地域という
かなり厳しい規制があり、和風の建築しか認可されないエリアです。
・建ぺい率 30%
・容積率 80%
建築家への要望としての条件の内、一部をご紹介しました。
実際にはもっと多岐にわたります。
3.和風モダン住宅を、同じ条件、同じ敷地で5つの間取りを比較
それでは、和風モダンの住まいとして提案された5つのプランを順に御覧ください。
A 案 Plan:片岡英和建築研究室 (クリックにて別タブで拡大して見られます)
B 案 Plan:ノセ設計室 (クリックにて別タブで拡大して見られます)
C 案 Plan:空間工房 用捨行蔵 (クリックにて別タブで拡大して見られます)
D 案 Plan:熊谷設計事務所 (クリックにて別タブで拡大して見られます)
E 案 アルファテクトアソシエイツ (クリックにて別タブで拡大して見られます)
4.同じ条件でも、考え方次第で間取りは多彩
イメージ的なデザインは、「和風モダンなデザインの住宅で、落ち着いた安らぎを求めるには?」を読んで頂き、こちらでは間取りについて。
本来ならデザインと間取りは一体で考えないといけません。
依頼されるあなたはイメージ的なものと、暮らしていきたい間取りは別々に考えても良いと思います。
それを上手くまとめるのが、プロの仕事ということになります。
ただ、依頼の方法によって、出来上がる住まいのカタチは変わってしまうのは、上のように全く違うプランが出来るということでお分かりいただけたでしょう。
一番大切なのはどこに注文住宅を発注しようと、あなたが将来住んでいきたい住まいのカタチをイメージしておくことです。
しかも、依頼先に頼む前にイメージしておくことが大切です。
1社にしろ、数社にしろあまりイメージせずにプランを出してもらうと、そのプランがあなたの家の基準になってしまいます。
注文住宅であれば、同じ予算でも本来ならもっと自由に住まいづくりができるのに、なにか他の家と同じような間取りで同じようなデザインになりがちです。
一度プランが出てくると、大幅な変更は実は難しくなります。
提案を出す方も、同じ設計士なら修正していくことになります。
ガラッと違う提案はなかなか出できません。
提案を受ける側にとって、家づくりがはじめての場合がほとんどで、どこまで言っていいのか?言っても大丈夫なのか?こんなこと言ったら笑われるんじゃないかな?などと考えられてしまう方が多いのです。
遠慮なく伝えていきましょう。
5.注文住宅の家づくり、主役はあなた
せっかくの注文住宅で、あなたらし住まいを手に入れたいのであれば、できるだけ具体的なイメージを持っておいて下さい。
全体でなくてもいいのです。
一部分だけでも十分です。
例として
・ダイニングに座った時の庭の見え方
・理想的なお風呂
・収納の取り方
・寝室とウォークインクローゼット
・キッチン
・ペットの居場所
・休日の過ごし方
・夜、ホッとしたい時の居場所
などなど
設計者はこれをヒントにイメージをふくらませることができます。
ですから、ご希望が強ければ強いほど具体的な方がいいわけです。
間取りもそれに合わせて変わってきます。
そして、設計者によっても変わってきます。
正直、正解というのはありませんが、せっかくならご自身の生活が豊かになる家づくりを目指したいものですね。
和風モダン住宅の参考事例はこちら