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うなぎの寝床、同じ敷地で5つの間取り比較

うなぎの寝床に、新しく住まいを新築しようと思ったけど、どうせ間取りはそんなに変えられない、とあきらめている方は多いのではないでしょうか。

 

参考になる間取りは無いかとホームページをあちこち見たり、建売住宅の広告チラシなどを見て、こんな程度かな、なんて思っていませんか?
本当にそうなんでしょうか?
ここでは、うなぎの寝床の土地でも、あなたの考え方を少し変えればイロイロな間取りに変身するということをお見せしましょう。

 

1うなぎの寝床も間取りはイロイロ

折込広告で見る建売住宅の間取り、どれも似たような感じで今ひとつピンとこない

のではないでしょうか?それは当たり前です。建売住宅は売れることを目的としています。

結局、万人受けする間取りのものになってしまいます。車で言えば、一昔前のカローラと思えばいいですね。価格は安い代わりに、乗り心地、デザイン、ステータス性は求められません。でも、日本だけでなく世界中で売れていました。建売住宅も同じです。価格は安い代わりに、住み心地、デザインは決して最高という訳にはいかないですね。

 

1-1うなぎの寝床とはいえ、土地の条件はイロイロ

うなぎの寝床の敷地は、地方によって多くあるところと全く見られないところがあります。関西の京都や大阪には特に多く見られますね。でも、全国的に見るとそれほど多くない為、ホームページ上にはあまり間取りの参考になるのは出てこないのかもしれません。

でも、イロイロな考え方で間取りは多種多様なんです。

 

まず、同じうなぎの寝床でも、間口が南を向いているか、北を向いているか、もちろん西向きでも東向きでもそれぞれ条件が違いますから、間取りは変わってくるはずです。隣にも同じような建物が建っているのかそうでないか、隣が道路に面していたり、公園であったりするとがらっと変わります。

 

1-2うなぎの寝床とはいえ、そこに住む家族の要望もイロイロ

 

そこに住まわれるご家族の形態、つまり若いご夫婦なのかある程度お年の方の住まいなのか、子供さんの年齢や人数、最近ではペットがいるかいないかでも間取りの考え方は変わってきます。ただ、部屋数さえ足りていればいいという考えでは、快適な住まいになるとは思えませんよね。

 

 

2うなぎの寝床だからといってあきらめる必要はない。

2-1昔は同じだった、それは田舎の民家の間取りも同じ

うなぎの寝床の代表でもある、京都の町家。この京都の町家の間取りはどこの家でも概ね決まっていました。表の間があり坪庭があり内の間がありそれを通り土間がつなぐ、もちろん規模によっては違いますが、何軒か見るとだいたい想像がつくものです。

それは、物を大事にするであるとか、環境をうまく取り入れる、または良い伝統を受け継ぐという考え方から言うと継承するべきものでもあります。私自身の実家も未だに昔のままの町家ぐらしをしています。

 

2-2ライフスタイルの多様化

かと言って、これだけ経済が発展し、生き方も多様化した現代に全ての方に町家ぐらしをしましょう、とは言えません。また、本当の町家と同じ造りの住宅をできる材料がありませんし、大工さんもどんどん減っています。

なので、町家のいいところを継承しつつ、現代の建て方で住まいを建てるという考え方で良いと思います。

 

私は町家ぐらしも好きなので、現代風の建て方と伝統的な町家のどちらが優れているかという意見はここでは控えさせてくださいね。

 

 

2-3今は、うなぎの寝床でも間取りは自由

さておき、技術的に現代の建て方を有効に取り入れると、間取りはかなり自由なのです。構造をきちんと考え、サッシや断熱材をきちんと使えば快適な住まいになります。

うなぎの寝床という限定された土地の形ではありますが、立体的に空間として捉えれば限りなく多種多様な間取りが出来上がります。ここがミソです、土地を1階2階と輪切りに2次元で考えるのではなく、全体を3次元で考える、それが設計の腕次第ということになります。うなぎの寝床の間取りは、設計のアイデア次第というわけです。

 

3 設計次第で変わるうなぎの寝床の証拠

ここでは、私が普段提供している5人の建築家のコンペの中からうなぎの寝床の事例で見ていただきましょう。

 

コンペとは、同じ条件(土地、予算、お施主さんからのご要望等)で、設計のプランを同時に提出していただき、その中から一番合う間取りをお施主さんに選んでもらう、というサービスです。私は通常、あらかじめお施主さんからヒアリングをして、その要望に合う建築家5名を選出し、その上でプランを提出してもらっています。

同じ土地、同じ建設予算、同じ要望でありながらも、これだけ違う間取りが提出してもらえます。

 

気をつけていただきたいのは、これらのどれが一番優れているか、を競うコンペではありません。どの間取りがそのお施主さんにピッタリと合うか!を選んでいただくためのコンペなのです。

 

今回のコンペの条件

土地・・・東開口、間口5.2m、約30坪
(京都の、典型的なうなぎの寝床)

予算・・・3000万円

ご要望・・・ご両親、ご夫婦、子供さん3人、ワンちゃん2匹の大家族です。

 

この住まいのテーマは、ほっこりできるところから空が眺められるようにして欲しいということでした。

街中の密集地で、空を眺められる設計はなかなかの難題ですね。

 

そんな条件の中提案されたのは次の5つの間取りです。

 

間取り-1 (クリックで別タブにて拡大)

 

間取り-2 (クリックで別タブにて拡大)

 

 

 

間取り-3 (クリックで別タブにて拡大)

 

間取り-4 (クリックで別タブにて拡大)

 

間取り-5 (クリックで別タブにて拡大)

 

 

 

4 あなた次第で変わるうなぎの寝床の間取り

 

ご覧頂いた5つの間取りは、建売の間取りではありません。実際に建てられる住まいの

お施主さんの要望を踏まえた上で5人の設計のプロが考えてくれたものです。同じ敷地、同じ要望、同じ予算でも、これだけの違いが出てきます。住まいの間取りはあなた次第で変わるのです。

 

 

4-1家にあなたの生活を合わせるのではなく、あなたの生き方に合う家をつくろう。

 

いい家をつくる大前提は、住む方がどんな生活がしたいか、どんな家を造りたいかがはっきりした家なのです。

それは、マンションや建売などの出来上がった既製の家を買って、その家に生活を合わせるのではなく、あなたが家族と将来こんな人生を送りたいという想いをもち、それに合わせた家づくりをするということです。

それは家を買うのではなく、家を建てる!ということですね。

 

 

4-2人の間取りを真似してもあなたが幸せになるとは限らない

 

注文住宅で家を建てるとしても、人の真似をしてもあなたが幸せにはなれません。他の人の人生と、あなたの人生は違います。これまで生きてきた環境や、敷地の条件、予算等全く違います。これから過ごしたい人生も人それぞれ。あなたとご家族だけが送る場所なのですから、真似をしてもそれがベストなはずがありません。

ですから、他の人の間取りは参考にはしても、決してそのまま真似してはいけません。

それくらいなら、既存の建売や、規格住宅のハウスメーカーで十分です。

 

 

4-3まずは、どういう生活がしたいのか?どんな人生を送りたいのか?

自分で送りたい生活、をイメージしてみることから始めましょう。そのイメージがある程度出来てから、他の人の間取りなどを見ると、とても参考になります。最初から間取り集などを見ると、結局自分の考えではなく、人の家を真似るだけになってしまいます。

まず、自分の将来の夢を思い浮かべてみましょう。

夢なんて、と思わずに。

それがいい家をつくる第1歩ですよ。

 

 

 

まとめ

 

家の間取りはうなぎの寝床にかぎらず、住む人の意志でいくらでもつくることができるます。

でも、本当にあなたや家族に適した間取りは、まず住んでみたい将来の家のイメージを持つこと。どんな人生、どんな将来を送りたいかを考えるところから始めるのが肝心です。いきなりは難しいのですが、映画のワンシーンや、ドラマ、住宅関連のテレビ、雑誌等でこんな家いいな、自分ならこんなことがしたいな、等少しずつイメージを貯めておきましょう。その蓄積が自分の家づくりに役立ちます。

 

 

 

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